光のどけき春の日に。

関西発、ゆるゆる登山。

大台ケ原 -夏の終わりに、空中回廊を巡る- (day1)

こんばんは。

08/27-08/29で山旅に行ってきました。

暑い日々が続きますし、この季節に低山を登るのはちょっと拷問チックなので、ちょっと高い山がいいなあ…と思っていたんですけど、あまり遠方に出て行くのはしんどい…っていうことで、今回の目的地は、奈良県の大台ケ原でした。

先日のブログで、ちょっと天気怪しいなあ…という嘆きのつぶやきを残したんですけど、蓋を開けてみると、結構良い天気になりました。

自宅から大台ケ原まで、3時間程度かかりますし、平日とは言え夏休みなので、駐車場が満杯になるんじゃ…っていう不安があったので、仕事終わりで奈良の五條あたりで一泊し、早朝から大台ケ原に向かう感じでした。

…でした。

そんなわけで大台ケ原着、なわけなかですが、実は到着の時点で10時半とかっていう、結構微妙な時間帯だったりしました。

まあ、当日に思ってた時間に起きられなかったのが、そもそもの原因なんですけど、それだと前泊した意味ないやん…的なツッコミはあったりですが。

この日、ちょっとガスってたり、晴天ではなかったりはしましたが、それでも直前まで台風の影響で天気がどうなるか分からなかったことからすれば、ありがたい天候であります。

11時過ぎにビジターセンター横の登山口から入山。

例によって、トイレすませたり、登山届を出したり、荷物の最終パッキングとチェックをしてると、出発まで結構時間とられちゃうんですよね。

ここのおトイレは水洗で大変綺麗でございました。
チップ制だったので、少し多めに入れさせていただきました。
今後も維持管理、よろしくお願いします。

あ、登山届はビジターセンターで提出する形です。

入山が少し遅い時間になってしまったので、時間見合いで今日のルートを決めようかと思ったりですが、ひとまず日出ヶ岳に登り、時間があれば大蛇嵓まで行けたらいいなあ…という感じです。

今回、この大台ケ原を選んだ理由としては、まったりと歩きたかったからなんですよね。

この案内図を見ていただければ分かるように、ここ大台ケ原はそれほどの起伏がなく、谷へのルートを外せば、ほぼハイキングルートなので、より歩くことを楽しめるかなあと。

入山して暫くはこういうほぼ平坦な登山道でした。
貴重な自然が残る大台ケ原ということで、至るところに案内図なんかがあって、それを読んで辺りを見回したり、普段の登山とは違う登山を楽しみます。

こういう苔むした感じって、大台ケ原っぽくていいですよね。

苔むした倒木とか、岩とかがあって、この辺りのトレイルは飽きないトレイルです。


笹が増えて、その笹を餌にする鹿が繁殖した結果、鹿による樹木の食害が発生するようになったとかで、鹿避けのネットが樹木には取り付けられています。

30分ちょっと歩くと、こういう舗装された道になったんですけれど、この辺りからちょっとした登りになりますが、舗装路なのでそれ程苦ではないです。

相方を待ってる時に登山道の下を見ると…、お蛇様。

 # ヤマカガシかな?

毒持ちさんっぽいので、特に刺激する必要もないので、遠巻きに見てるだけでしたが、特に動きもありませんでした。

微妙な登りを登り切ると、分岐に出るんですけど、その奥の方に展望デッキがありまして…、天気が良い日には、熊野灘とか、更に条件が良ければ富士山が見えるらしいんですけれども、まあ写真を見ていただければ分かるように、本日は残念な光景でした。

ここでちょっぴり休憩し、日出ヶ岳山頂の方に向かいます。

分岐からは300メートル程だそうな。

…が、結構な登り階段です。
多分、今日で一番しんどいポイントじゃなかろうかと思いつつ、ここの上まで一気に登り切ります。

上の階段登り切ったら展望台だと思ってたら、まだ全体の半分くらいだったので、若干心が軋む音が聞こえたんですけれども、あとちょっとした頑張りで展望台が見えてきました。

SUUNTOVector的には、1655mということですが、無事登頂です。

前回の北アルプスの反省から、今回はちゃんとグローブをしています。
虫除け素材の帝人のスコーロンを使用しているFoxfireのハーフグローブです。
万全を期すならフルグローブがいいんでしょうけど、頻繁にカメラを触るので、指先があいてるものをチョイスしています。

展望台に上がると、こんな看板がありました。
熊野灘から富士山、南アルプスまで見える…! とのことですが、

一面ガスってまして、何も見えません。

で、反対側には和歌山の大塔山から、大峰山系、金剛山地等々、関西南部のオールスターっていう面子が揃ってたりしますが、

こちらもガスってまして、真っ白で何も見えませんでした。

このタイミングでは、日出ヶ岳山頂周囲はガスに包まれていて、どの方向を向いてもこんな状態だったんですけどねえ。

見晴らしもいい場所なので、ここでガスが晴れるのを待ちがてら、昼食にしようかとも思ったんですけど、まだ御飯っていう気分にならなかったので、もうちょっと先に進むことにしました。

分岐まで下り、そこから正木峠に続く木階段を登っていくんですけども、ふと振り返ると日出ヶ岳山頂が結構くっきり見えました。

ここから見ると、山頂からもガスが取れてるように見えるんだけどなあ…。

正木峠には、こういう木階段をゆるやかにに登っていきます。

苔むした光景も大台ケ原っぽさ溢れるものでしたが、こういう木階段と立ち枯れしたトウヒっていう光景も、より大台ケ原らしさに溢れていると感じます。


そんなわけで、やっぱりそういうところで御飯って食べるもんですよね。
丁度この木階段を登り切ったところに休憩用のベンチがありまして、そこに座ってお昼御飯にいたします。

毎回思うんですけども、火器と火気って違うと思うんですが、何が正しいのかがよくわからない感じでして、登山用の小型のバーナーを使ってお湯を沸かしている人なんかもいるようなんですが、今回は山専ボトルにお湯を詰めて持ち上がりました。

さすが山専ボトル、朝入れてお湯でカップラーメンが作れます。

さて、このかに玉風のチキンラーメンなんですけども、大台ケ原行きでの最終コンビニで見付けて購入してみたんですけども、美味しいのは美味しいんですが、やっぱりチキンラーメンは普通のチキンラーメンが一番だと思うに至ったわけです、はい。

ここ正木峠付近では、よく大台ケ原を紹介するときに使われる写真のような光景が広がっています。

天空に繋がる空中回廊的な、この風景。

あともう一声、もうちょっと晴れ間があれば…と思わなくもありませんでしたが、年間でも相当な雨量を誇るこの大台ケ原において、まあまあの晴れ間っていうことだけでも、ありがたいお話です。

…最初は、登山は諦めて、とりあえず宿泊だけ…とかって展開もありえたので。

あ、この辺りから右手方に大台ケ原の駐車場が見えたりしましたが、うっかり写真を撮るのを忘れました。

正木ヶ原周辺では、ほぼほぼトウヒは立枯している状態ではあるんですが、所々にまだ小さいながらも、新しい木が育ち始めているのが分かりました。

この木には掛かっていませんでしたが、多くの新しい木にはおそらく鹿の食害を防ぐためにネットで張り巡らされていました。

まだまだ年月はかかるでしょうけれど、ここからこの森が再生していけるといいですね。

木階段を下りきると、沼地がありまして、ここには野生動物がやってくるらしく、足跡を見ればどの動物なのかが分かる、ということをこの看板に書いてあるんですけども、それにより看板にトンボが止まっていたので、そちらにフォーカスしてみました。

大台ケ原に一足早く秋が来た、っていう感じですかねえ。




こういう立ち枯れた木がたくさんある風景っていうのも侘び寂びがあって良いものなんですけども、そもそも森としては正常な状態ではないわけで。

この森が再生していくことを祈り、この景色を目に刻みます。

牛石ヶ原と中道の分岐まで出ました。
結構しっかりとした東屋があり、休憩にはちょうどいい感じです。

ここに到達した時点で14:50くらいで、時間的に大蛇嵓までのピストンは厳しいので、大蛇嵓へは明日のスケジュールにして、中道を通って駐車場まで戻ることにしました。


時間的なものか、地理的なものか分かりませんが、割とガスってる様子が見えます。
正木峠付近だと殆どガスはなかったんですけども。

この中道に限らず、苔探勝路でも登山道をまたぐ形で水の通り道がありました。
そこそこな水量があったりで、ハイキングコースと言えど、ちゃんとした登山靴を履いてきたのは正解だったなあと。

この付近に、「コケが好む条件は」的な看板があったように思います。

ってことは、この辺りが「コケが好む条件」の場所なんでしょうかね。

何か動き出しそうな朽ちた切り株です。

この朽ちた切り株を養分にして、新しい芽が出ていました。

新しい芽が大きくなれるよう、この切り株が守り、育んでいくんでしょうか。

さて、本日のお宿は大台ケ原の心・湯治館さんです。

内部的には、結構山小屋的な感じはあるんですけど、登山口付近のお宿ということもあり、山小屋の不自由さはありませんでした。

何と言っても、お風呂があって石鹸が使えるんですよね。

ただ何故か(?)固形石鹸とボディソープはあるのに、シャンプーがありませんでした。
ボディソープの容器に入ってるけど、中身はシャンプーということを期待して手に出してみたんですけど、何となくボディーソープのように思いましたので、頭はお湯でざっと洗うことにしました。

まあ、山の上でお風呂入れるって、それだけでも至福な出来事ですよ、ええ。

そして、晩御飯です。
御飯の奥にあるのは、何と野生の猪のお肉とかで、ちょっと主張の強い肉ではありましたが、特に食べにくさとか、においとかは特に感じませんでした。

っていうか、美味しかった!

お豆腐が胡麻豆腐だったのが、ちょっと残念ではありました。

 # 苦手なんです、すいません。

普通のお豆腐でつるっと冷奴といきたかったんですけど、高野豆腐の方が日持ちしますし、きっとそういうことなんだろうなあと。


食事後はお部屋でまったり。
幸い、ここのお宿では個室をとることができたので、気兼ねなくまったりすることができました。
消灯21時と聞いていたので、山小屋的に全室バチッと電気が落ちる感じかと思ってたんですけども、消灯になるのは廊下とか共有部分のみでお部屋の電気そのままでした。

そんな感じで夜も更けていき、気が付けば値落ちしていました。


…二日目に続く!