【山行記録】安達太良山、山頂を経由して爆裂火口を目指す。
安達太良山、二日目です。
ざっくりとした予定。
普段、普通の旅行をする時は大抵温泉宿なので、朝ご飯の前にお風呂に入るか、後に入るかで、いつも悩むんですが、くろがね小屋は朝風呂不可なので、朝ご飯に合わせて起きる感じでした。
最初の計画だと、下山してからもう一箇所観光地に寄ることにしていたので、くろがね小屋の朝ご飯をお弁当に変えてもらう予定でしたが、そもそも予定通り登って下りて来られる自信も根拠もなく、よくよく考えた結果、もう一箇所の立ち寄りはやめて、直接二日目のお宿に入ることにしました。
朝、旅立ち。山頂を目指す。
朝ご飯はシンプルなメニューです。
ほぼ7時、出発。
六時半に出る予定が、トイレやらなんやらで結局七時になりましたとさ。
山頂方面は激しくガスっており、更に風も強い状態だったので、不安が先に立ちます。
今回安達太良山に決めた二つ目の理由と目的が、沼ノ平から見るあの爆裂火口だったんですよね。
山頂からの景色は最悪なくてもいいから、爆裂火口だけはどうしても見せてください。
小屋も少しずつ小さくなってきました。
そこそこの風があって、やや気温も低くて動きやすいコンディションではありますが、やっぱり動いてると汗をかきます。
昼間でもこれくらいの気温だったら良かったのに…って言うか、これくらいの気温を想定してたので、昨日は正直暑さにやられました。
今日は山頂まで行って、下山というコースなので、疲れを溜めないようにゆっくりと登っていきます。
7:54、峰の辻。
割と高度も上がってきた感がありますが、正直この時はガスっていて、真っ白な状態。
ルートとしては、ここから山頂に行くルートと、沼ノ平に向かうルートとに分岐しますが、小休止を入れつつ、先に山頂に向かうことにしました。
と言うのも、かなりガスっていて、いま沼の平に行っても景色は絶望的だと思ったのと、風が強くてガスがものすごい勢いで動いているので、もしかしたら時間が経てばガスがとれるかも、なんて思ったり。
峰の辻から一旦下りまして、そこにちょっとした沢があって、水が溜まっていました。
さすがに飲水ではなさそうなので、飲みはしませんでしたが、手を濡らして、顔を洗うと、果てしない爽快感。
基本ガスがかかっていてますが、たまにガスがとれる。
ただし、瞬間的に。
時間が経てばガスが取れるのか、標高を上げれば取れるのか…って、もう結構登ってきてるから、標高で取れるのか望みが薄い。
8:36、ロープウェイからルートに突き当たりまして、見上げると安達太良山の山頂が見えました。
8:43、ほぽ山頂。
山頂方面は風が強そうで、かなり速さがガスが流れているように思われましたが、振り返ると市街地が普通に見えまして、これは山頂付近だけがガスってるパターン…。
山頂からの景色。
山頂前は、山頂が風よけになるのか、実際に山頂に登ってみると、立っているのが怖いくらいの暴風で、正直長居できない状態でした。
山頂名プレートがありましたが、手持ちでの記念撮影はしませんでした。
何故って…、
↑割れてたんですよ…。
悲しい。
山頂から沼ノ平に向かう。
ここからは、大きなアップダウンもなく歩きやすい道らしいってことで、歩き始めたものの、やっぱり沼ノ平付近は厚くて速いガスに覆われている感じ。
この辺りを歩いている時が猛烈に風が強く、顔が若干痛いくらいだったので、正直引き返した方がいいのかな、なんて思ったりしていました。
このコンディションだと、沼ノ平まで頑張って歩いたところで、きっと景色は見られないだろうし。
ただまあ、何ヶ月も前からああでもないこうでもないと計画を練りに練って、決して安くない費用を払って、割と頼み込んでとった休みだったので、行けるところまで行く、に決定。
はい、真っ白。
なーんにも見えません。
ものすごい勢いで風が駆け抜けていくので、沼ノ平は火口の縁で、おそらくここは結構崖なんでしょうね。
ここでガスの流れを見ながら、時折若干爆裂火口の欠片っぽい景色が見えることもあったりですが、基本的にはガスで真っ白。
さすがにこの状態のガスがスパッととれる未来は想像できず…、リベンジ山行を近々するためにはどんなスケジュールにすればよいか…等、色んなことを考えていました。
この時点で、9:40くらいだったのですが、相談した結果、ひとまず10時まで粘って、そこでもガスがとれないなら、引き返すことにしました。
そうしていると…、少しだけガスの切れ間が。
晴れろ、晴れろ、晴れろ。
晴れてくれ…ッ!
頼むーーー!!!
こいこいこいこい!!!
きたー!!!!!!
(リアルに叫びました、これ。)
きっと、自分達が沼ノ平に向かう時にすれ違った人も、峰の辻から上がってきた人達も、この景色は見られていないんじゃないだろうか。
きっとそれは一瞬のタイミングだった気がしますが、これまでの苦労が報われた瞬間でした。
神様は、ちゃんとここにいて、微かに微笑みかけてくれた。
下山、そして出会った人。
山頂を裏から見た図。
山頂を過ぎると、ちょうど登ってくる人が多数、っていう状態でした。
どうも、午前中の早い時間帯はロープウェイが動いておらず、運転再開とともに登ってきたようでした。
山頂からちょっと下ると、パタッと風がやみました。
そして襲い来る、日射。
…正直、暑い。
とは言え、下り道も結構歩きやすい道でした。
いい感じに整備されていて、定期的に補修してくださっていると思います。
そんな感謝を覚えつつ、ただいま思えるのは、やっぱり暑い、暑いってことかね。
後一ヶ月ほど早ければ、石楠花なんか見られたんでしょうかね。
後から知りましたが、安達太良山って結構花の山だったりしました。
ほんとの空を見に行こう。
ロープウェイが動いているということだったので、おまけ的な感じになってしまいましたが、安達太良山で最後の目的地に向かうことにしました。
ほんとの数分で薬師岳到着。
後ろにこっそり見えているのは安達太良山の山頂でしょうかね。
そして、展望台からの景色です。
眼下にロープウェイ駅が見えますが、結構な高低差がありますね。
ここ、ほんとにCT1時間10分なんでしょうか…。
ちょっと雲が多いですが…、ここがほんとの空です。
ここで、この空まで見られたのは、ほんとに幸運でした。
ちょっと風が強くて、ちょっと暑い日だったけど、この山に来られて良かった。
この場に立てて良かった。
さあ、下りよう。
そして下山して。
ロープウェイの山頂駅に着きました。
あぁ、ロープウェイって言うよりかは、ゴンドラですね。
なので時刻表があるようなものではなくて、ぐるぐる延々と動いてる感じです。
このゴンドラに乗ります。
ちなみにJAFカード提示で、ちょっと割引がありました。
持ってて良かったJAFカード。
このゴンドラ、駅内では人の乗り降りがあるので、ゆるーっと動いてるんですけど、一旦人が乗ると、外に向けて一気に加速して飛び出すような感じでした。
何となく空中にほりだされるような、体を持っていかれるような恐怖感があって、「うぉぉ、まてまて!」と叫んだ人がいたらしいです。
そして、汗だくになった登山者は温泉に吸い込まれていきましたとさ。
白っぽい硫黄系のお湯で、ちょっといまの季節的には熱いお湯ではありましたが、数日ぶりのちゃんとしたお風呂です。
飛行機に乗る前日はシャワーだったし、くろがね小屋は温泉だったけど、シャンプー石鹸使えなかったし。
そう言えば、露天風呂に入ってると、とんぼがぼくの膝に止まりました。
ちょっとびっくりして振り払ってしまったんですけど、安達太良山ってトンボの多い山なんでしょうか。
それこそ足元とか踏みそうなくらい飛んでましたけれども。
時間があれば、岳温泉街にある成駒さんで食べたかったんですけど、やや時間が押していたのもあって、ロープウェイのレストハウスでお昼ご飯。
あだたらラーメンでございます。
良い意味で、普通のラーメンだったと思います。
汗をかいて疲れた体には、もうちょっと塩辛さがあってもいいかなーなんて思ったりしましたが。
まとめ。
初の東北遠征。
安達太良山。
ほんとに暑かった、とにかく暑かった。
これまで7月には西穂高独標とか、剣山とか登ってきましたけれど、こんなに暑いのは初めてでした。
西穂山荘とか、夕方はちょっと肌寒いくらいでしたし。
水分と栄養補給をしっかりやっていかないと、正直命的にも危険だと感じました。
今回、安達太良山は純粋に山に登りたいっていうところと、くろがね小屋っていう小屋に泊まりたい。
硫黄系の白い温泉に入りたい。
山頂からの景色を見たい、そして沼ノ平からの爆裂火口を見たい。
ほんとの空を見ておきたい。
うん、全部叶いました。
普段は車移動なので、公共交通機関を使った旅計画って慣れていないので、ものすごく悩みました。
そもそも飛行機もろくに乗ったことないし、時刻表に合わせて動くのも慣れておらず、いまいち計画が動く進みませんでした。
二人で色んな事を話し合って、アイデアを出し合って、なんとかこの山行が完遂しました。
お疲れ様でした。
また、行きましょう。
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あ、下山の時にちょっとお話した方、三人組で一人がもふもふつきのガンマイク持ってたんですけど…、多分この人。
多分、だけど。