雲海に浮かぶ竹田城跡を。
激しく昔の話になりますが、昨年の秋に竹田城跡を見に行ってきました。
竹田城跡との出会い。
去年の夏は、ほんとに暑かった。
テレビでも言ってたけど、災害級の暑さってのは、正しい表現だと思う。
8月末の涸沢テント泊から戻り、9月に計画していた八ヶ岳テント泊が悪天候で流れてから、特に山には行っていなかった。
行きたい気持ちは少なからずあったものの、暑さからくる体力的な厳しさと、日々の忙しさのせいで、どこにも行けなかったのは、ある意味身体には良かったのかもしれない。
忙しさが一瞬落ち着く10月半ば、ほぼ毎年行っているところがある。
そこは山と言えば山だけど、目的が山登りではない山だ。
www.city.asago.hyogo.jp
兵庫県朝来市にある、竹田城跡。
初めての出会いがいつだったかは覚えていないが、誰が撮った写真を見たのか、と問われると即答することができる。
それは、この人だ。
一路、朝来市に向かう。
10/25、仕事終わりにぼくは車を走らせていた。
もう何度も通っているので、あまりナビに頼り切ることなく、現地まで行くことができる。
ただ、やはり仕事上がりで和歌山から4時間弱の道のりは体力的に楽と言うことはない。
途中、西宮名塩サービスエリアで休憩を取り、更に高速を進む。
丹波を抜け和田山が近くなってくると、少しずつ霧が出始めた。
今回の目的は雲海に浮かぶ竹田城跡を見る、撮ることなので、霧が出ているのは願ったりの状況だ。
トンネルを抜け、和田山ICで下りると、更に霧は濃くなっているように思われた。
時間は23時を過ぎており、明日は夜明け前から軽く登山することになるので、一刻も早く休息をとる必要があった。
初めて来たときは、朝来市内のビジホで素泊まりしたけれど、最近は車中泊を覚えてしまったので、お宿を取ることはなくなった。
今回も例によって車中泊で、予定地は立雲峡駐車場で、ここは自販機もあり、綺麗な水洗トイレがあるので、車中泊にはうってつけの場所だったりする。
また、雲海に浮かぶ竹田城跡を狙うには、ここから登った展望台がベストポジションであり、起きてからの移動距離なしで登ることが出来るので、ここより優れた車中泊ポイントはない。
自分が車を立雲峡に滑り込ませたのは、もう0時に近いタイミングだったと思う。
既に何台か車中泊と思われる車がいたので、手短に夜食を取り、エンジンを止めた。
気になるのは明け方の天気だ。
雲海は前日と当日の気温差が大きくないと出ない。
また、当日は夜も晴れている必要があり、この辺りの気象コンディションが雲海が出る出ない、もしくは雲海の厚さを大きく左右してくる。
幸い、雲海予報も期待出来る状況だし、天気予報、天気図もそれを裏付ける状態だ。
また、但馬地方に濃霧注意報が出ており、雲海(=霧)は既に出ている状態だった。
これは期待できる、いや期待しても裏切られない状態だ。
これまで竹田城跡は、自分たちにとって期待を裏切らない存在だった。
何せ、初めて行った時、二回目の時、その次の年もばっちりと雲海を見させてくれた。
なので、頭ではそうではないと思っていたものの、来れば見られるなんて考えたりもしたが、何と昨年は3戦全敗という憂き目にあった。
散々山で景色は時の運で、タイミングの産物だと学んだはずが、改めて現実を突きつけられたような気がした。
だからこそ、今年にかける気持ちは強かった。
起床、そして登り始める。
スマホのアラームが4時に鳴り響いた。
登山だと思えば特段早い時間ではない。
ただ、純粋な登山ではないと言う気持ちからだったか分からないが、なかなか起きる事が出来なかった。
この時期の朝来市の日の出は6時15分くらいだが、立雲峡から竹田城跡を狙う場合には、背後から太陽が登る感じになるので、なかなか明るくならない。
一番高い第一展望台までは、大凡30分くらいあればたどり着くことができるので、5時半くらいに出発すれば時間的には十分間に合うのだが、人気スポットだけあって場所取りが熾烈なのだ。
とは言え、数年前にかなり改装され、3段のひな壇的な展望台になったので、場所取りの敷居はかなり下がったように思う。
それまではちょっと切り開かれた斜面という趣な展望台で、なかなか三脚を立てる場所を確保するのも難しかった。
登り始めは確か、5時過ぎ。
必要十分に整備された登山道ではあるけれど当然のごとく街灯等はないので、必然的にヘッドライトをつけて登ることになる。
少し登ると、山肌にも霧が満ちていることが分かり、ヘッドライトで照らされる登山道は真っ白に光る。
立雲峡展望台は、3つの展望台があり、一番下が第3展望台で、一番上が第1展望台になる。
第3は登って5分くらいで、竹田城跡を下から見上げる形になるので、基本的に第1展望台まで登る事になる。
10分程登ると、竹田城跡方面が見下ろせるポイントに出るが、眼下も全て真っ白になっており、目視でも霧(=雲海)が出ている事が分かった。
前回は、ここまで登ると、市街地が明らかに見えていたので、上まで登るのが億劫になったが、今回は確信を持って登る事が出来た。
撮影タイム。
3段の第1展望台は、それほどの混雑もなく、ある程度ベストに近い場所に三脚を立てる事が出来た。
ヘッドライトをつけながらカメラのセッティングを進める。
まだ光量が十分ではないが、雲海に浮かぶ竹田城跡だ。
辺りは明るくなったものの、まだ太陽は登っていない。
この時間帯が一番寒い。
反対側の山が赤く光り始めた。
夜明けが近い。
刻一刻と光の加減が変わるので、必死でカメラのセッティング変更をする。
これまでは、CanonのEOS 70Dを使用していたが、今回からはOLYMPUSのOM-D EM5 Mark2を持ってきたので、まだ設定変更に慣れておらず、割と四苦八苦する。
竹田城跡に光が当たり始めた。
雲海も程よい濃度で上下しており、光の加減がキレイだったので、少し引きで撮ってみる。
今回は全体的なシステムが軽いということもあり、今回はズームレンズと標準ズームの2本を持って来ることが出来た。
マイクロフォーサーズシステムの恩恵に預かる。
竹田城跡をズームで。
後ろ側にも雲海が広がっているので、奥行きが出て面白い。
今回は本当に当たりだった。
初めてのご挨拶。
竹田城跡と雲海のマジックタイムが終わり、ちらほらと第1展望台にいた人も帰り始めた。
少し身の回りの整理をしつつ、第1展望台から上部に少しだけ登ってみることにした。
見晴らしだけであれば、第1展望台が良い事は知っているので、特に登る意味はないのだが、このまま帰ってしまうのが惜しくて、少し歩く事にした。
そうすると、ちょっとした斜面の上で脚立を立てている男性をみつけた。
その男性に心当たりがあったので、ぼくは近づいて話しかけてみる事にした。
軽くご挨拶をし、名前を呼びかけてみると、確かにその人だったので、暫く雑談をした。
86歳になった今も、年間かなりの日数を竹田城跡撮影の為に立雲峡を登られているらしい。
多分、ぼくが竹田城跡を知ったのは、この人の撮った写真だったはずだ。
今回は素晴らしい竹田城跡と、良い出会いがあった。
参考資料。
終日晴れで、気温も20度まで上がっている。
当日の天気。
前日から引き続きの天気。
更に風が弱く、湿度が90%超えと、雲海の好条件を満たしている。
当日もまだ引き続き高気圧があり、この日も晴天が期待できる。
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